ダイニングテーブルの高さの目安|ソファとの黄金比・決め方

ダイニングテーブルは、リビングの主役とも言える家具です。購入の際にデザインだけに注目してダイニングテーブルを選んでしまい、失敗したというケースは珍しくありません。

ダイニングテーブルはサイズの大きい家具なので、テーブル1つでリビングの印象が決まると言っても過言ではありません。用途によっても、使用しやすいダイニングテーブルの高さは変わってきます。価格もそれなりにするため、きちんと吟味して後悔のない買い物にしましょう。

今回は、それぞれのライフスタイルに適したダイニングテーブルの高さを紹介します。快適に過ごせる空間を作るための参考にしてください。

 

1. ダイニングテーブルの最適な高さは?

ダイニングテーブルの最適な高さを決める際、3つのポイントに絞って考えることができます。

・利用者の身長と座高

利用者の身長と座高から最適な高さのチェアを選んだうえで、ダイニングテーブルを決めるのが一般的です。

座ったときにかかとが床に付く高さのチェアを選ぶと、体への負担が減ると言われています。数字で示すと、かかとが床に付く高さは40cm前後です。ただし、身長によってぴったりな高さは変わるので、利用者自身の身長や座高から最適な高さを求める必要があります。

以下の計算式で、最適なチェアの高さを求められます。

身長×0.25=ひざ下の平均的な高さ

・使用用途

ダイニングテーブルでノートパソコンを使う人も多いでしょう。しかし、食事とパソコン作業では最適な高さが違います。食卓用のダイニングテーブルでノートパソコンを使うと、ノートパソコンのディスプレイとキーボードの位置が低くなるため猫背になりやすく、長時間作業をすると腰や肩への負担が大きくなります。

自身がどのような用途でダイニングテーブルを利用するかを踏まえると、おのずとダイニングテーブルの最適な高さが分かるでしょう。

・ソファ、チェアとの差尺

ソファ・チェアの座面高と天板の高さの間隔を「差尺(さじゃく)」と呼びます。食卓用のダイニングテーブルでノートパソコンを使うのと同様で、差尺が合っていないと食事がしにくくなったり、座り心地が悪くなったりします。差尺の数値が適正であれば、より快適にダイニングテーブルを使用することが可能です。

ダイニングテーブルを購入する際、ソファやチェアはセットで購入するのが一般的です。ソファやチェアとの差尺を先に出しておくと、理想のダイニングテーブルを探しやすくなるでしょう。

 

2. ダイニングテーブルとソファの黄金比は?適切な高さの求め方も

ダイニングテーブルとソファは、ペアと言っても過言ではないアイテムです。リラックスする場としての役割がメインなのか、食事をしたり書き物をする場としての役割がメインなのかによって、ダイニングテーブルとソファの理想の高さは変わります。

では、ダイニングテーブルの高さとソファの座面高は、どれくらいの差があれば快適なバランスと言えるのでしょうか。

一般的に、ダイニングテーブルとソファの差尺が30cm程度だと快適に過ごしやすいと言われています。理想の差尺は、以下の計算式によって求めることができます。

(身長(cm)×0.55)÷3=最適な差尺

身長に0.55をかけて座高を割り出し、割り出した数字を3で割ることで最適な差尺が分かります。

また、使用用途や部屋の雰囲気などによって、適切な差尺があります。ここでは代表的な4つの差尺について紹介します。

 

2-1. マルチに使用する場合は「72cm」

食事や書き物など、マルチに使用する場合のテーブルの最適な高さは「72cm」と言われています。ソファに座った状態でテーブルに手を置いたとき、腕が直角になるくらいの高さが理想です。日本人の平均的な体格の大人が食事やデスクとして使用する場合に、最適な高さとなります。

また、ダイニングテーブルでノートパソコンを使う場合は、天板が低いほうがタイピングしやすくなると言われています。作業用としてもテーブルを使うのであれば、72cmより2~3cm低いダイニングテーブルがおすすめです。

 

2-2. 空間を広く見せたい場合は「67cm」

空間を広く見せたい場合、ダイニングテーブルの最適な高さは「67cm」と言われています。使用した際に少し低いと感じる高さのダイニングテーブルは、空間を広く見せる効果があります。そのため、奥行きがないダイニングテーブルでも、広々とした天板を演出することが可能です。

また、差尺が縮まると身長が低い子どもにも使いやすくなります。ただし、座高が高い人は不便に感じる可能性があるので、購入する際にはよく検討してください。

 

2-3. ソファを使用する場合は「60cm」

ソファのサイズや種類にもよりますが、ソファを使用する場合のダイニングテーブルの最適な高さは「60cm前後」です。ソファはダイニングチェアより4~5cmほど低い38cm前後の物が多く、座った際に足が床に付くくらいの高さのソファを選ぶと、リラックス度が高まり快適に過ごせるでしょう。

食事や作業には72cmが理想の高さですが、一人暮らしだったり、リビングの広さの関係でなかなかダイニングセットとソファの両方を置けなかったりするケースも少なくありません。ソファとダイニングテーブルをセットで置くのが難しい場合は、ソファダイニングを検討してみてはいかがでしょうか。

 

2-4. 長身の人が使用する場合は「75~80cm」

長身の人が使用する場合の最適な高さは「75~80cm前後」と言われています。輸入家具やガラスのテーブルに多い傾向です。外国人の平均身長に合わせて設計されたダイニングテーブルであれば、長身の人でも快適に使えるでしょう。

イタリアを例に挙げると、平均身長は男性で176.5cm、女性で165cmです。全世界の平均身長と比べて、イタリア人は男女それぞれ5.5~6cmずつ高くなっています。

体格や暮らし方、ライフスタイルによって、適切なダイニングテーブルの高さは異なります。もし、自身の身長が全世界の平均よりも高い場合は、外国人の平均身長に合わせ設計された75~80cmの高さのダイニングテーブルを選ぶのがおすすめです。マルチに使う場合の理想の高さと数cmしか変わりませんが、実際に使用すると快適度は違うでしょう。

 

3. ダイニングテーブルとソファ・チェアとの差尺を埋める方法

子どもがいる家庭や身長に大きな開きのある家庭では、誰にダイニングテーブルの高さを合わせればいいのか悩むこともあるでしょう。子どもなど身長が低い人に合わせるとなると、差尺を埋めるためにダイニングテーブルの脚を切るといった大がかりな作業が必要になる可能性があるため、身長が高い人に合わせることがほとんどです。

身長が高い人にダイニングテーブルの高さを合わせる場合や、テーブルのデザインを重視する場合は、差尺を埋めるアイテムも検討するとよいでしょう。

・昇降式テーブル

昇降式テーブルは、使用用途や好みに合わせてテーブルの高さを使い分けられる特徴があります。誰でもいつでも簡単に高さを調節できるため、マルチに使用したい場合にもおすすめです。

・カットしたフェルト

ダイニングテーブルの高さに対してチェアが低く感じる場合は、チェアの裏にフェルトを貼ることで高さを出せます。テーブルの高さが低く感じる場合は、ダイニングテーブルの脚の裏にフェルトを貼ると、適切な差尺を作れます。

・座布団、円座クッション

座布団や円座クッションを敷くだけで、簡単に差尺を埋めることができます。円座クッションを置くことで座り心地が改善され、体への負担が減る可能性もあるでしょう。最近の円座クッションは骨盤を考えて設計されている物もあるので、腰痛対策にもつながります。

 

まとめ

適切な高さのダイニングテーブルを購入するためには、利用者の身長や座高を考慮するだけでなく、使用用途を踏まえたうえで、適切な差尺を求めることがポイントです。数㎝の違いとはいえ、ソファ・チェアとダイニングテーブルの高さバランスが合っていることは、過ごしやすい空間を作るうえでの必須条件となります。

まずは、利用者や使用用途に合ったダイニングテーブルの適切な高さを算出したうえで、お気に入りのダイニングテーブルを見つけましょう。

コメントを残す